龍涎香

植物性の香料は、近年アロマセラピーで使用されているので馴染みがあります。
花や草木の香料は、それらの名前がポピュラーであれば、想像がつくものです。
しかし、動物性の香料となれば、香水や漢方に詳しい方で無い限り、それ程知られてはいないものです。
麝香は、ムスクで、これは有名ですが、麝香鹿のオスの分泌腺嚢からとれるものです。
霊猫香(レイビョウコウ)は、シベットと言い、麝香猫の雄と雌、両者の腺嚢分泌物です。
海狸香は(カイリコウ)は、カストリュウムと言い、ビーバーの雄と雌、両者の腺嚢分泌物です。
で、龍涎香(リュウゼンコウ)は、アンバーグリスと言い、抹香鯨の腸内にできた結石です。
今日は、私が17~18年前に手に入れた、その龍涎香の紹介です。

これは、抹香鯨が死んだ後、肉体が滅びて無くなっても残り、まるで軽石の様に海に浮き、時に浜辺に打ち上げられます。
大変高価な香料なので、浜辺で見付ければ、ラッキーです。
先日、イギリスの海岸で子供がこれを見つけ、高く売れると報道されていました。
私の持っているのはかけらですが、年とともに熟成され、今ではふたを開けると甘く香り、瓶の中には霜の様に結晶ができています。
抹香鯨がイカやタコを食べ、消化しきれなかったくちばしが固まりになるとも言われていますが、それだけではないようで、真実はまだわかっていません。
でも、よい香りである事は事実で、ムスクの様な、蜂蜜の様な、少し薬の様な香りで、もしかしたら、私が死んでも香り続けるのかと、そんな風に考えます。